暑い時期になると、脱水症状や熱中症が心配になりますよね。
中学校の部活などで運動をしているときに、水分補給をするときには、
スポーツドリンクに経口補水液を入れて飲ませているという話も聞きました。
スポーツドリンクや経口補水液は、水やお茶などと一体何が違うのでしょうか?
なぜ水だけだけではだめなの?
大切な水分補給には、水、塩分、糖分が必要ということです。
塩分については、よく塩をなめたらいいと聞いたことがあるかもしれません
塩分補給が必要な理由は、
熱中症になると、水分といっしょにNa(ナトリウム)などの電解質が失われて、これらの体内のバランスが崩れてしまうためです。
糖分については不思議ですよね。甘い味をつけるためでしょうか?
糖分補給が必要な理由は、
水分の吸収を担っている小腸で、もっとも効率的に水分が吸収されるためには、
塩分に加えて糖分も一緒に取ったほうが良いことが研究によって分かったからです。
また、多少のエネルギー補給の目的もあるそうです。
水分、塩分、糖分の必要なバランス比
適当に水分、塩分、糖分は適当に入れるのではなく、必要なのバランス比があるようです。
黄金バランス比は、水1Lに対して、Na(ナトリウム):ブドウ糖=1:1~2の濃度比(モル/L)です。
これは、現在、日本で広く普及している市販の経口補水液とも一致する比率になっています。
経口補水液は、体内への吸収しやすさから「飲む点滴」ともいわれています。
この黄金バランス比を踏まえて、
経口補水液はご家庭でも簡単に作ることができますので、作り方をご紹介します。
おうちで簡単 経口補水液づくりレシピ
【材料】
・沸騰させて冷ました清潔な水 1リットル
・砂糖 40g(大さじ4と1/2杯)
・塩 3g (小さじ1/2杯) }
これをかき混ぜてできあがり!
簡単ですね
(分量を変えるときには、材料を倍にしたりして作ってください)
他にも、
レモン汁や、レモン、カボスなどの、柑橘系の果汁(クエン酸) 大さじ1
リンゴ酢 少々
を入れてみてもおいしく、飲みやすくなり疲労回復効果と吸収速度も上がります。
ただし、果汁を入れると、味はおいしくなりカリウムを補給することもできますが、糖分濃度が高くなるため水分の吸収率は少し悪くなるそうです
この作り方を知っていると、子どもが熱を急に高熱を出した!
けれど、スポーツドリンクも 経口補水液のストックも置いてない!
という時、急いでお店に買いに出なくても簡単に作れるのでよさそうですね。
手作りした経口補水液の注意ポイント
1.分量を間違えず、できるだけ正確に計って作ってください。
分量を適当にしてしまうと、先ほどの黄金比の話でもあったように、
効果的に体に働かないようです。
2.作った経口補水液は、その日のうちに飲み切ることや清潔な保存をこころがけましょう
手作りをしていると、どうしても雑菌が混ざって傷むおそれがあります
衛生面や健康面の観点からも気を付けてくださいね
3.飲みすぎ注意!適量を飲みましょう
経口補水液には塩分と糖分が含まれているので、高血圧、糖尿病などの治療中で食事療法をしている人は飲みすぎに注意が必要です。
また年齢によっても、1日当たりに適した飲み水量の目安があります
学童~成人(高齢者を含む):500~1,000ml/日
幼児:300~600ml/日
乳児:体重1kgあたり30~50ml/日
年齢や体調に合わせて飲んでいきましょう。
4.保存する容器に注意しましょう
手作りでなくても市販のスポーツドリンクや経口補水液も、魔法瓶の水筒に入れるのは注意が必要です。
酸によって、魔法瓶の内部を溶かしてしまい、体に悪い成分が溶け出してしまう恐れもあるためです。
特に、レモンなどの、クエン酸を入れた時は、魔法瓶タイプのドリンクボトルは向きません。
最近は、酸に強いタイプのものもあります。取り扱い説明書の、注意事項を確認して容器を選んでくださいね。
スポーツドリンクと 経口補水液の違いって?
暑くない時期で、1.5時間未満の運動中の水分補給には水でOKですが、
熱中症対策の場合や、健康な状態で発汗したときはスポーツドリンクが良いとされています。
では、スポーツドリンクと経口補水液の違いはどこにあるのでしょうか?
実は、ナトリウム量と炭水化物量(糖分)が異なっています。
スポーツドリンクに含まれている成分は、
脱水を起こしていない状態で水分補給をスムーズに行うのに適しています。
経口補水液は熱中症予防・水分補給を積極的にしたいタイミングで飲むものではありません。
オーエスワン(経口補水液)の商品説明には、以下のように記載されています
オーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。
軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。
感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。
長時間の運動や炎天下での運動などでたくさんの汗をかいて、熱中症や下痢・おう吐による脱水脱水状態の時や、脱水状態が心配される時には、オーエスワンなどの経口補水液がより良いというわけです。
ちなみに、おうちで作る手作りの経口補水液は、
脱水時に不足するカリウム(K) をほとんど摂取することができませんし、
炭水化物の含量が高くなってしまうそうです。
熱中症や下痢・おう吐による脱水脱水状態時や脱水状態がひどい時は、
カリウムなど下痢などで失われる電解質を適正に含んでいる、市販の経口補水液を摂るほうがよりよいようです。
使い分けも必要ですね。
かくれ脱水を見分ける方法
熱中症や脱水症状の自覚がなくても、かくれ脱水状態になっていることがあります。
通常経口補水液を飲んだ時、「まずい!」と思うのに、
脱水状態の時に飲むと不思議と「おいしい」と感じるとこがありますよね。
経口補水液の成分が体に適切に吸収されているんだ、と感じるところではないでしょうか。
嘔吐や下痢、高熱、運動などで脱水症状を起こしたままにしておくのはとても危険です。
では、脱水している状態とそうでない状態というのは、どのようにして見分けたらよいのでしょうか。
1. 手の親指の爪を押す
親指の爪を白くなるまでギュッと押してから離してみてください。
元のピンク色に戻るまでに3秒以上かかる場合は、脱水状態になっている可能性があります。
2. 手の甲の皮膚を引っ張る
手の甲の皮膚を引っ張り、元の状態に戻るまでの秒数をはかります。
3秒以上かかる場合、脱水状態が疑われます。
4 舌の状態をみる
脱水状態になると舌の表面がザラザラしたり、赤黒い色になります。
このような脱水症状が見られた場合には、すぐに経口補水液を飲む。
ひどい時には医療機関を受診すなどの対応が必要です。
いかがでしたか?
熱中症や脱水状態にならないように、日ごろからの心がけも大切ですね。
用途に合わせて水やお茶、スポーツドリンク、経口補水液などの適切な使い分けで水分補給をしていきましょう。
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