ある日、母が知人に聞いたといって、ハイターを水で薄めてスプレーして消毒する姿を目にしました。
確かに、ハイターは除菌や漂白にとっても強力な力を発揮して、わが家にも欠かせないものです。
でも、それを薄めているとはいえ、スプレーしていいのかな?
「スプレーしたものを子供たちが触ってしまって肌が荒れたり、なめてしまったりでもしたら、体にも悪そう。」
「塩素系漂白剤独特のツンとしたにおいが漂い続けていて、体にも悪そう。」
そんな疑問がわいてきました。
母にそう伝えましたが、「ちゃんと後で拭いているし、いつもより薄めているから大丈夫」と言って、生ごみに向けて、シュッシュと何度もスプレーしました。
母いわく、アリが来なくなったそうです。
小さい子供がいるし、
『塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)の正しい使い方をおさらい!【成分の特徴から見る注意ポイント6つとは?】』
の記事で書いたように、ハイターは、消毒効果を望むだけではなく、いくつかの注意点や危険性、正しい使い方をしてこそ効果的に発揮するものだと思っています。
ましてやスプレーしているので、ハイターを薄めたものを日常的に消毒として、スプレー本当に危険ではないのか、きちんとした使用方法を知って、伝えたいと思い、調べました。
すると、面白いことがわかったので、詳しくご紹介していきたいと思います。
合わせてハイターを薄めてスプレーする時の注意点も合わせてお伝えしていきます。
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は違うもの
名前が似ていて間違われやすいのですが、この二つ
成分は違うものなのを知っていますか?
ちなみにハイターは、次亜塩酸ナトリウムです。
次亜塩酸ナトリウムは、次亜塩素酸イオンが成分で、強烈な塩素のにおいがする、pH12以上(強アルカリ性)のものです。
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸が成分で、基本的に無臭で、pH5.0~6.5(弱酸性)のものです。
目や口に入っても害はなく、口腔衛生にも使えるのものです。
母は、「仕事で食品の工場でも除菌するのにいつも使ってるよ。」と言っていましたが、
「それって次亜塩素酸水と勘違いしているんじゃないかな!?」
と思うところです。
ノロウイル対策にハイターを薄めたものを使ってもいいの?
いくつかの注意点がありますが、薄めたハイターを使う最大のメリットとしては、ノロウイルスやコロナウイルスに対して、非常に効果的です。
嘔吐物の始末や、ノロウイルスやコロナウイルスに感染した人が触れたものの消毒などに使うことができますよ。
次亜塩素酸ナトリウムスプレーをハイターを薄めて手作りする方法
ハイターを薄めることで、[次亜塩素酸ナトリウム]を簡単に作ることができます。
薄めて使うこと自体は問題ないのでしょうか?
プールにも入れられる消毒薬も「次亜塩素酸ナトリウム」なので、問題はなさそうな気もするけど?と、調べてみると、元々液体のハイターは、原液ではなく、水で薄めて使うように示されています。
ちなみに、次亜塩素酸ナトリウムは、スプレーとしては使えないので、スプレーにして使いたいときには、「次亜塩素酸水」を使うようにしましょう。
次亜鉛素酸ナトリウムをスプレーで使うことがおすすめ出来ない理由は、後で説明していきます。
原液濃度が5~6%程度で作られている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)で消毒液を作ることができます。
ハイターなど「次亜塩素酸ナトリウム」と記載されたもの
水 (普通の水でOKです)
ペットボトル
ゴム手袋
今回は、手軽に手に入る「ペットボトル」と「花王のハイター」を利用した作り方をご紹介しています。
◎嘔吐物や鼻水、便、や吐物が付着した床やおむつなどが直接付着した場所を消毒する場合:【0.1%消毒液の作り方】
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- ペットボトルに水を500ml入れる。
- ペットボトルのキャップ2杯(約10ml)」のハイターを入れ混ぜる。
※半分の量を作りたいときには、それぞれ半分の量など調整してください。
◎ノロウイルスに感染した人の衣服や器具などのつけ置き、トイレの便座やドアノブ、手すり、床などに使用する場合:【0.05%消毒液の作り方】
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- ペットボトルに水を500ml入れる。
- ペットボトルのキャップ「1杯(約5ml)」のハイターを入れ混ぜる。
※半分の量を作りたいときには、それぞれ半分の量など調整してください。
次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液というところがポイントになります。
<厚生労働省HPより>
”ドアノブなどは0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭く。トイレや洗面所の清掃をこまめに行う。清掃は、市販の家庭用洗剤を使い、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒剤を使用する。”
ほかのメーカーの塩素系漂白剤を薄めるときには、どれくらい購入してから経っているのか、濃度が違いますので、確認など注意してくださいね。
ハイターを水で薄める時の注意点
薄めたハイターの誤飲対策にラベルを
間違えて飲んだり触れたりしないように、ペットボトルで作る場合は、必ず「ラベル」を貼るようにしましょう。
水で薄めるたハイターの長期保存はできません
水で薄めると、比較的早く分解して効果がなくなってしまいます。
そのため、長期保存はできないので、使いたいときに必要な時に1〜2日以内に使いきれる分量を作るとよいでしょう。
作りやすく、保管しやすいのでペットボトルを利用したご紹介していますが、液の劣化と容器のがすすみやすいため、できるだけ早めに使い切るようにし、容器も作るごとにこまめに新しいものにするようにするとよいでしょう。
ハイターを薄めるときの濃度に注意する
花王HPには、ハイターとキッチンハイターの希釈の目安を記載されています。
「ハイター」と「キッチンハイター」の希釈の目安
(直射日光にあたる場所や高温での保管をしていない場合)
0.02%(200ppm)以上* 0.05%(500ppm)以上* 0.1%(1000ppm)以上* 生産時の濃度6%の場合 水3リットルに
キャップ約0.4杯
(10ml)水3リットルに
キャップ約1杯
(25ml)水3リットルに
キャップ約2杯
(50ml)購入から3ヶ月以内 水3リットルに
キャップ約1/2杯
(12ml)水1リットルに
キャップ約0.4杯
(10ml)水1リットルに
キャップ約0.8杯
(20ml)購入から1年以内 水3リットルに
キャップ約0.7杯
(18ml)水1リットルに
キャップ約0.6杯
(15ml)水1リットルに
キャップ約1.2杯
(30ml)購入から3年以内 水3リットルに
キャップ約1.2杯
(30ml)水1リットルに
キャップ約1杯
(25ml)水1リットルに
キャップ約2杯
(50ml)(キャップ1杯は約25ml)*次亜塩素酸ナトリウム濃度購入時期が不明な場合や、直射日光にあたる場所や高温で保管して濃度の低下が不安な場合は、購入から3年以内の濃度で調整してください。なお、ご購入から3年以上経過した古い製品では、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が著しく低下している場合がありますので、ご使用はおすすめできません。
ここで大切なのは、薄める時の濃度です。
非常に少量でも塩素系漂白剤の量を間違えてしまうと、漂白剤に含まれる塩素の濃度が変わってしまいます。
それによって、消毒(殺菌)効果も発揮できない場合もありますし、逆に、濃度が濃すぎて効果が強すぎる場合もあります。
殺菌効果を保ちつつ、使いたい場合は、必ず液体の塩素系漂白剤は、有効塩素濃度を確認し、適度に希釈して使用するようにしましょう。
ハイターをスプレーに?!薄めても体への影響や危険をわすれずに!
では、それをスプレーの容器に移し替えて、除菌のために日常的に使っていってもよいのでしょうか。
薄めたハイターでも手指の消毒には不向き
アルコールプレーのように、手指で使いたいところですが、注意が必要です。
「ハイター」「キッチンハイター」は非常にアルカリ性の強い製品です。
薄めた液でも皮膚を傷めるおそれがあるため、手指などへのご使用はできません。
皮膚についた時はすぐに水で十分洗い流しすようにしましょう。
スプレー容器にいれて噴霧すると危険
塩素系漂白剤を市販のスプレー容器に入れて使うと、霧状になり吸い込む危険性があります。
誤って吸い込んでしまうと、呼吸器系を痛めて、体にもよくありません。
カビ取り剤を販売している会社が霧スプレーでしたが呼吸器障害を起こした主婦が訴訟を起こしたことをきっかけに、泡スプレーだけの仕様に変更されたという過去の事例もあります。
薄めた液を他の容器にできるだけ入れない
スプレー(次亜塩素酸ナトリウム)自体が、すぐに劣化してしまいます。
ハイター(次亜塩素酸ナトリウム)の成分によって、容器自体が溶けたり腐食してしまったりしやすくなるんです。
劣化したスプレー容器を使うと、予期せぬ方法に飛んでいって、液が身のまわりのものにかかってしまうので危険です。
薄めたスプレーの使用後は水ですすいだり水ぶきをする
スプレーをして、そのまま放置というのもあまりよくないので、必ず水ぶきもその後必要です。
ハイターの容器にも、
漂白(除菌や消臭)の場合は、およそ30分浸した後、水ですすぐ
除菌(消臭)の場合は、およそ2分つけた後、水ですすぐ
と、長くても30分程度でその後水ですすぐことが書いてあります。
十分な換気をして取り扱いに注意する
体調がすぐれない場合や、心臓病・呼吸器疾患等の方は使わないようにしましょう。
確かに、母がスプレーを使った後は、かなりハイターの臭いがして気分が悪くなるような気がしてきます。
吸い込んでしまった場合には最悪死亡の危険もあります。
使用するときも、ゴム手袋や、メガネやマスクを使いましょう。
窓を開けて、換気扇を回すなどの換気もきちんと行うようにし、1度に大量に使ったり長時間使用しないようにします。
衣服に衣類につくと脱色や損傷の恐れがあるため、水でしっかりと洗い流しましょう。
万が一、皮膚や目についた時には、目に入ると失明の恐れや、皮膚につくと肌荒れにもつながります。
大量の水で洗い流し、病院へ受診しましょう。
日常でも薄めたハイター消毒の普段使いできる?
ドアノブなど「物の殺菌消毒に有効」で、ノロウィルスなどの感染対策に使われている手法ではありますが、通常の日常的に利用するには少し注意が必要かなと思います。
先ほどの項目(ハイターの裏の表示)を詳しく見てみると、消毒の正しい分量がわかりません。
ハイターは、医療用ではなく非医療品の雑貨扱いになります。
よって、消毒が使用用途に入らないため、ラベルに消毒用の正しい希釈分類は書かれていないんです。
漂白、除菌、消臭の希釈する分量は書いてあっても、消毒する分量は書いてありません。
除菌:細菌を取り除いて減らすこと
消毒:有害な微生物を死滅させるか除去して、害のない程度に減らす。または、毒性を無力化させること
そして、薄めたといっても、取り扱いや体への影響などで、いくつかの注意点が必要な液です。
ということで、除菌を母はしたかったという意味としてとらえてみていも、いくつかの不安要素が残ります。
塩素系漂白剤を薄めて使う以外の方法
日常的なお掃除のため、除菌や殺菌のために使う時は、塩素系漂白剤を使わずに、ほかのものでも代用できるのではないかと思いますので、ご紹介します。
次亜塩素酸水
除菌や消臭の効果もあるということで、名前が似ているけれども違うものの、次亜塩素酸水のほうを使ったほうがよさそうです。
次亜塩素酸水は濡れていても効果を発揮するので、キッチンのシンク回りなどから、洗濯槽、トイレ回りなどにシュッシュッと吹きかけて使うことができます。
赤ちゃんやペットのいる空間でも安心して使えるのが魅力ですね。
\赤ちゃんやペットのいる空間でも安心して使える 希釈せずにそのまま使えます/
二酸化塩素を活用した活性水
除菌力、消臭力に優れているので、、ニオイ対策から、除菌まで様々な用途に使用できる二酸化塩素を活用した活性水も人気です。
次世代の除菌消臭剤としてアルコールフリーの主成分で作られています。
逆性石鹸
細菌やカビなどの殺菌をメインに考えるなら、逆性石鹸(陽イオン界面活性剤)もあります。
においもなく、ゴミ箱や、キッチン、トイレ掃除などで使うことができます。
石鹸という名前なのですが、洗浄力はほとんどありません。
薬局などで販売されていて、原液を500倍に薄めてスプレーして使うことができます。
※原液は刺激が強いので、使用するときには注意が必要です。
アルコール(エタノール)
キッチンまわりや、お掃除で使える、家中で大活躍なのは、アルコール(エタノール)です。
消毒や除菌ができ、小さい子供がいても安心して使えます。
詳しくは、
【お掃除に使いたいけどどれがいいの?エタノールとアルコール除菌スプレーの違いとおすすめの使い分けとは!】 の記事でもご紹介しています。
まとめ
・ノロウイルス対策やコロナウイルスに薄めたハイターが効果的といわれっています
※ただし、水で薄めると、比較的早く分解して効果がなくなってしまいます。
通常、塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、常温で保管していてもゆっくりと分解し、濃度が低下していきます。
特に、直射日光が当たるところや、高温での保管だとより早く分解してしまうので注意しましょう。
そのため、長期保存はできないので、使いたいときに必要な分量を作るとよいでしょう。
・液体の塩素系漂白剤を水で薄めたものをスプレーで使いたいところですが、おすすめ出来ない
・スプレー容器自体の劣化もしやすい
・薄めたとしても、ハイターの扱う上での危険性や注意点は、守る必要性がある
・使うためには、適正な濃度になるように水で薄めるようにしましょう
・使った後は、水ぶきが必要
・金属製品、繊維製品に使用すると、腐食や変色を起こす場合があります
・塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使用するときの注意書きをよく読む
塩素系漂白剤(ハイター)を薄めて、除菌や漂白効果を求めて使っていくには、必要な時に、必要な量だけ特にノロウイルス対策やコロナウイルス対策にしぼって利用した方が効果的です。
それでも、日常的に使いたい!と思われる方は、危険ポイントに注意して使用してくださいね。
安全性などを考えると、日常的に除菌や消毒目的なら、アルコールスプレーや、次亜塩素酸水がおすすめですよ。
母に、いろいろな情報を伝えたところ、後日、クエン酸スプレーを買ってきました。
クエン酸スプレーでは、除菌などに効果的なのでしょうか?
それについても後日記事をかいていきたいなとおもいます。
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